臨床検査技師の求人・転職支援サービスの臨床検査技師JOB採用担当の方はこちら

病院と健診センターの違いのお話

2022年3月22日更新

今日は病院と健診センターの違いのお話です。

医療機関は大きくわけると、病院・診療所(クリニック)の2つの施設形態に分けることができます。そこで健診をメインに、健診のみを行う診療所(クリニック)を健診センターと呼ぶことがあります。

健診センターは日勤のみでありながら、自由診療の健診をメインに行うことから収入が安定しており、結果給与水準が高く、働き方の改善や給与UPを考える方に人気の施設です。

しかし働き方やお金ばかりに目がいき、健診センターがどういった特徴を持っているか知らないまま面接に進み、「病院と健診センターの違いはわかりますか?」と面接官に聞かれ、答えられずにお見送りに…という事例もあります。

運良く転職ができても、入職後にギャップを感じ、早期退職する方もいます。

そこで今回は病院と健診センターの違いを知ってもらい、ご転職活動に役立てていただきたいと思います。

まずは来院される方の違いです。

病院は、具合が悪いなど何か心当たりがある方、すでに症状がある(怪我など)方が来院されます。

健診センターは、悪いところは無いかな?と確認をしたい基本健康な方が来院されます。(自覚症状が無いだけで疾患のある方もいます)

来院される方の違いで臨床検査技師さんに影響があるのは、見れる症例です。

病院であれば患者が多いため症例を見れますが、健診センターは健常者が多いため症例を見るのは難しくなります。

さまざまな症例を見て、知識を増やし、臨床検査技師としてスキルアップしたい!という方には健診センターは不向きと言えます。

来院される方の状況が異なれば、どこに受診するか、選択の基準も変わってきます。

何か症状があり、急いで診察にかかりたい場合は近さ(病院の立地)が重要になり、何か難しい疾患に罹っている、命にかかわる重傷を負った場合は専門医や救急対応の出来る病院が選ばれます。

健康な方が来院する健診センターは、近さやアクセスのしやすさはもちろんですが、スタッフのサービス・接遇、内装のキレイさ、検査の速さなどが重視され、言ってしまえばレストラン選びや美容院選びに近い感覚です。自由診療で価格設定が施設ごとに違うのもショッピングに近いものがありますよね。

そのため健診センターでは、「来年も受診していただけるように」と内装を凝ったり、スタッフの接遇研修に力を入れたり、効率よくスピーディーに検査ができるよう工夫しています。お客様にご満足いただくため、サービスを充実させていると特殊な医療機関と思っていただくと良いかもしれません。

業務内容、検査件数にも違いがあります。

病院では院内で迅速に検査結果が出せるよう、幅広い検査を院内で行っていることが多く、検査件数は患者の来院数に左右されますが、エコーであれば技師1名あたり0~15件/日対応することが多くなります。

健診センターは生理機能検査をメインに行い、検体検査は外注していることが多いです。検査件数は設けている予約件数によりますが、エコーであれば技師1名あたり20~30件/日対応するところが多くなります。

極端に言えば健診センターでは、病院の倍の件数の検査を行っているため、スピード感が求められることは想像しやすいですよね。病院では「これは何の病気だろう」「どれくらいの進行状況だろう」と疾患の特定と病状の確認に重点を置いていますが、健診センターは「これは正常かどうか」「何の病気の可能性があるだろうか」と、どちらかと言うと正常かどうかの判断に重きをおいているため、検査にかかる時間も大きく異なり、1日に対応できる検査件数に繋がっています。

これらの点から、同じ医療機関でも異なる点がたくさんありますので、働き方やお金だけで応募する求人を選ばずに、施設について理解を深めてから選んでいただくと、転職活動が上手くいき、転職後のギャップも感じにくいかと思います。

ご不明点がございましたら担当コンサルタントまでお問い合わせください。

ご相談のお申し込みはこちらからどうぞ


#東京都

このブログを書いたM.A.

プロフィール

臨床検査技師の国家資格を取得後、治験コーディネーター(CRC)として2年間勤務し、臨床検査技師JOB専任コンサルタントへ。
医療機関以外にも、治験関連施設など企業系の転職支援も行う。

M.A.のバックナンバー

東京都のバックナンバー