女性の転職 – 「子育てに配慮してほしい」の上手な伝え方



大阪府在住|32歳・女性
臨床検査技師のNさん
産休・育休復帰後、1年間は時短勤務で働いていましたが、常勤で勤務を続けるには当直が必須で…子育てと仕事の両立を考え、転職活動をはじめました。
現在、3歳の子供がいます。面接で、子育てに配慮してほしいことについて、どう伝えればいいでしょうか?
ご自身のキャリアを考えて「正社員として働きたい」という気持ちと「お子さんを育てながら当直はできない」というご家庭の事情で、転職活動を検討されていたNさん。
ご自身でもいくつか応募されていましたが、「子育てのフォローができない」というご理由で、お見送りになっていました。
ご相談頂いた時のご希望は、
- 日勤のみ
- 日祝休み(できれば土曜も…)
- 子育てに理解がある職場
- 自宅から通勤30分以内
の4つ。
特に、今までのご自身の転職活動の経験から「子育てに対する理解があるかという点を重視したい」とのお話を頂きました。
「子育てに理解を」と一口に言っても、ご家庭の事情は人それぞれです。例えば、お子さんが病気になったとき。
- ご自身しか看病できる人が居ないのか
- 旦那さんと分担できるのか
- 他のご家族の手助けがあるのか
その方の状況によって、勤務先のフォローも変わってきます。
そこが具体的になっていないと、勤務先としても「どこまで仕事を任せられるのか」「ほかの技師さんにどこまでフォローをお願いすればいいのか」がわかりません。
Nさんが入職されてから『どんな風に活躍してくれるのか』が想像できないということです。
これは、転職活動では致命的なダメージになります。
Nさんにはまず、ご家族に転職活動についてご相談して頂きました。
- 保育園のお迎えの分担について
- 急な呼び出しがあったときの対応について
- ご夫婦それぞれのご両親に、フォローをどこまでお願いできるかの確認
特に上記の3点はしっかりとお話されるよう、おすすめしました。
これが具体的になると「応募先にどんな配慮をしてほしいのか」も具体的になります。そうなると、応募先としてもご入職後のイメージがしやすくなるのです。
もう一つ、転職活動を進めるにあたってNさんにお話ししたことがあります。それは、「応募先にネガティブな印象を与える表現をしない」ということ。
ネガティブな表現とは?
Nさんは検査技師としてのスキルが高い方でしたが、ご自身からはスキルに関するお話が出てきませんでした。
それまでの転職活動がうまく進んでいなかったので、スキル面にあまり自信を持てない様子。
「子供がいて迷惑をかけてしまうけど、そんな私を受け入れてくれる病院があれば…」
とおっしゃっていました。
一方で、検査技師としてさらに知識を身につけたい、という向上心の非常に高い方で、「経験のない心臓のエコー検査を教えてもらいたい」というご希望もありました。
転職活動で、このようなご自身の考えをどう応募先に伝えるか、が非常に重要なポイントになります。
まず、1つ目の『子供がいて迷惑をかける』という表現。
『迷惑をかける』は、どう見てもネガティブな表現ですよね。
さらに、「そんな私を受け入れてくれる病院があれば…」という考え方も、転職活動の場では相応しくありません。
謙虚すぎると逆効果に
一見、謙虚で日本人らしい言い回しに見えます。
しかし、転職活動(面接)は、応募先に「Nさんと一緒に働きたい!」と思ってもらうためのアピールの場。謙虚すぎると逆効果になってしまいます。
2つ目の「新しいことを教えてもらいたい」というのも同様です。どんなお仕事でも、日々新しいことを学んで成長していくことが大切。
ですが、転職活動の場面では、「教えてもらいたい」よりも「学んでいきたい」の方が、より向上心や意欲の高さを伝えることができます。
自分の環境を整える
毎日の送り迎えや病気の時の対応をどうするかなど、「子育てと両立するための環境」を整えましょう。
そして、応募先にどの点について配慮してほしいのかを明確にしましょう。
「ネガティブな表現」は厳禁!
できることを中心にアピール
転職活動で共通する選考ポイントは、
- 入職後、どんな風に活躍できるのか
- 検査技師として長く活躍してくれるのか
の2点。
謙虚になりすぎると、この2点が正しく応募先に伝わりません。ご自身が今できること、将来どうなりたいのか、の2点をしっかり整理しておくと良いですね。

今回のNさんの場合
環境を整える
ご主人や、近くにお住まいの実のご両親と相談し、以下のように役割分担を改めました。
- ご主人が朝、保育園まで送ってくれるので出勤時間が早められる
=通勤可能時間が伸びたため、応募できる案件が増えた! - どうしても夫婦で看病できないときは、ご両親にお願いできることになった
- 近隣の病児保育施設に見学に行き、万が一の時には利用できるように手続きを行った
この3つの準備をしたことで、面接の場で自信をもって「子育てと両立できるよう、準備しています」と伝えることができるようになりました。
Nさんが自信をもってお話できるようになったことで、面接の場での印象もよくなりました。
志望動機などの表現方法を変えた
「こうしてほしい」ではなく、「これができる」「この点では貢献できる」という伝え方に変えたことで、応募先が「入職後のNさんの姿」をイメージできるようになりました。
更に、この転職活動を進める中で改めて「検査技師としてスキルアップしたい」というお気持ちが強くなったNさん。
それを志望動機や面接の場でアピールすることができ、無事にご希望に近い健診施設で内定をゲット!今もご活躍されています。
仕事との両立に悩んでいる方は…
「子育て」はまだ女性が主役になる風潮が強いので、お仕事との両立に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
また、各ご家庭それぞれで状況や問題点が異なりますので、「こうすれば絶対大丈夫!」という正解パターンもありません。
\ 私の場合はどうなる?という方は/