健診施設で働く臨床検査技師
健診施設で働く
臨床検査技師
もくじ
健診施設とは

コンサル
健康状態の確認や病気の予防、早期発見を目的とした健康診断サービスを提供する役割です。
健診施設で担当する検査

1. 勤務時間や休日休暇などクリニック・健診センターでの働き方の特徴
病院と比べて、クリニック・健診センターでは働き方がどのように変わるのかについて確認しておきましょう。クリニック・健診センターの働き方の特徴をまとめてみましたのでご覧ください。
クリニック・健診センターに共通する特徴
- 夜勤(当直・オンコール)がない反面、夜勤手当がつかない
- 病院と比べ、比較的給与水準が高い
- 患者さんが急変することが少ないため、精神的な負担が少ない
- 検体検査には、ほぼ携わることができない
クリニックの特徴
- 休診日があるため、固定でお休みがある
- 夏季休暇・年末年始に長期休暇を取得しやすい
- 一緒に働く人の人数が少ない分、急なお休みがとりにくい傾向あり
- 業務時間中は人数も少ないため、忙しい傾向
- 1人職場の場合、自分のペースで業務が行える
- 臨床検査以外の受付業務、掃除、診療補助などの雑務対応がある
- 単科のクリニックに勤務した場合、携わる検査が限定される
健診センターの特徴
- 採血の件数が多く経験を積むことができる
- 巡回健診へ配属された際は、早朝出勤・出張に対応する必要がある
- 残業が比較的少ない
- 祝日も営業しているところも多い
- 臨床検査技師が複数活躍しており、研修体制も充実している
- 担当制のため、経験できる業務の幅が狭い
- 健常者の方が多く、症例を見ることは少ない
- 時間が限られているため、一人一人の受診者の方とじっくり向き合うことが難しい
いかがでしょうか。人によってはメリットにもデメリットにもなる特徴など、様々かと思います。クリニック・健診センターは、夜勤が無く、プライベートな時間の計画が立てやすい点が特徴として挙げられます。
ただし、一般的なクリニックでは携われる検査が限定されており様々な症例を見ることができない点や、検査以外の雑務があったりと、これからスキルを身に付けなければならない新入社員の方には、不向きである環境が多いです。もちろん、教育研修に力をいれているクリニック・健診センターもありますので、しっかりと入職前に教育研修制度について確認しておくことが大切になります。
2. 検査技師のクリニック・健診センターの「やりがい」や「苦労する点」とは
クリニック・健診センターで働く人だからこそ感じることのできる「やりがい」「苦労する点」について、実際に働いたことのある検査技師さんから伺った内容をまとめてみました。
やりがい
幅広いスキルを生かし、少数精鋭で働くことができる
クリニックでは少人数(1~3名体制)での施設運営が多いことはお伝えしている通りです。そのため、チームワークが重要で、周囲の状況を察知し双方で声がけ・助け合いが必要であり、また、検体(簡易検査以外外注)・生理検査・雑務などマルチタスクで幅広い業務を行います。
ですので、自分の持つスキルと人間力を総動員できるところにやりがいを感じられます。
病院と比べて、比較的給与水準が高め
少数先鋭で、検査技師個人への責任が重い分、給与水準が高い傾向があるため、現在の収入に対する満足度は高いです。
専門性が磨ける(専門クリニック)
自分の興味ある分野と、働いているクリニックの専門分野が一致している場合は、やりがいを感じている検査技師さんが多いです。例えば、循環器科系であれば心臓系のエコーに従事することが可能です。
急変する患者さんがあまりおらず、気持ちに余裕をもって患者さんの応対ができる
終末期で看取りなどを経験した、あるいは救急にいた検査技師さんから頂いた言葉です。中には、オンコールが鳴っていないのに夢にみて起きる人もいました。もちろんクリニックでも看取る可能性はゼロではありませんが、医療現場で働きつつも人の生死にかかわるところで精神的な負担を軽減できる環境というのは、やりがいにつながるポイントなのかもしれません。
苦労する点
携われる検査や検査件数が限られる
クリニックによっては「採血のみ」「採血・生理機能検査のみ(検体ができない)」等、スキルアップ以前にスキルの維持が大変な施設もあります。中には自費で勉強会・研修へ参加するなど、スキル維持のために努力している人も見受けられます。
特に1人職場の場合、業務時間中はマルチタスクで忙しい傾向
こちらもクリニックによってですが、検査技師が1人しかいない施設もあります。そのような環境では、検査技師としての仕事をしているだけではダメで、全体の流れを考え、予測し、業務を回す必要があります。時には他職種の動きも見て、できる範囲で手伝いもする必要があります。
良くも悪くも院長との距離が近い
クリニックでは院長と直接やり取りをするケースが多いです。そのため、院長と「合わない」場合は、その職場で長続きしないケースが見受けられます。病院勤務でも上司と合わないという話を伺いますが、「施設の長」との距離の近さの点で大きな違いがありますので、クリニックでは院長との相性はとても大事ですね。
3. クリニック・健診センター勤務に向いている人の傾向や適性について
クリニック・健診センター勤務に向いている検査技師さんの特徴は以下の通りです。
- 生理機能検査や採血を中心に業務に携わりたい
- 少数精鋭の中で、自分で判断し行動ができる
- 臨床検査以外の雑務も抵抗なく対応できる
- 患者さんとコミュニケーションをとりながら働きたい
- 予防医学に興味のある
- 日勤のみで働きたい
- 特定の科目(産婦人科、循環器科など)に特化したクリニックで働きたい
クリニックや健診センターの場合、採血や生理機能検査を中心に業務に携われます。また、病院での検査室や、臨床検査センターと異なり患者とより近い距離で働くことができるため、患者と直に接しながら働きたい方は向いていると言えます。
実際に入職した人に聞いてみた!やりがい
Sさん
心電図、視力、聴力、肺機能検査を担当

受診者の方がいらっしゃるのは年に1回ですが、顔を覚えてもらっていたことは嬉しかったです。後日、アンケートでも丁寧な対応が良かったとお褒めの言葉を頂きました。
Fさん
エコー(腹部、乳腺)を担当

受診者の方の所見を見つけ、医師に引き継ぐことができたのは大きなやりがいです。診断を行うための材料、データを正確にとるのが役割ですが、その仕事を果たすことができたのは日々勉強を継続していた成果にも繋がった気がします!
Wさん
内視鏡介助、採血を担当

臨床検査技師の仕事として、内視鏡介助はあまり知られていないような気がしますが専門的に一つの分野の知識を深められて自分に合っている気がします。また、日勤帯のみですし予約制で残業はほぼないので、家族との時間もしっかり確保できる点も良いです。