CRC(治験コーディネーター)
治験コーディネーター
治験コーディネーターを簡単に説明
臨床検査技師の資格を活かして企業で働きたい!という人には、CRC(治験コーディネーター)がおすすめです。
CRCは臨床検査技師の資格がないとできない職種ではありませんが、大学の専門課程で培った検査技師としての知識が活かせるお仕事です。
大手SMO(治験施設支援機関)では、新卒採用を積極的に行っております。
ここでは、CRCの仕事内容をご紹介いたします。
CRC(治験コーディネーター)とは、Clinical Research Coordinatorの略です。
CRCの主な仕事内容は病院やクリニックといった医療機関へ訪問して、GCP(治験を実施する際に遵守すべき基準)を守って、適切に治験が行われるように各部署を調整(コーディネート)します。
そのため、病院の患者様だけでなく、製薬会社や医師をはじめ、医療従事者などの幅広い職種の方と接することができ、医療機関のスタッフとして働くときより仕事の視野が広がります。
CRCは、大きく3つの仕事に区切られることができます。
次のセクションでは治験コーディネーターの仕事内容について詳しく解説します。
CRC(治験コーディネーター)の仕事内容について<治験開始~終了までの流れ>
1. 治験開始前
■施設調査の対応
契約前に依頼者から施設調査が入ります。SMOによってはSMAや営業が担当することもありますが、CRCが担当するSMOも少なくありません。医師と相談し、アンケートに答えます。その結果、治験実施/契約締結となればその対応もしていきます。
■治験実施計画書(プロトコール)の把握
製薬会社(臨床開発モニター)が勉強会を開催するため、参加し、治験内容の理解・把握します。事前にプロトコールが配られますので、勉強会までに疑問点を抽出し、勉強会で疑問点を解消できるようにします。
■スタートアップミーティング
治験責任医師や分担医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師などの医療機関スタッフに対して、治験について説明します。CRAがメインで説明しますが、医療機関スタッフを一度に集められる機会を貴重なため、CRCも必要事項を説明します。
そのために事前にミーティングの資料を作成しておきます。(治験の概要や検査項目、スケジュール、禁止事項、医療機関スタッフにお願いしたいことなど)
■医師以外の医療機関スタッフとの調整業務
・薬剤師:治験薬管理について
・看護師:被験者対応・採血について
・臨床検査技師:治験で実施する検査や検査機器について
・放射線技師:治験で実施する撮影方法や機器について
・医事課:来院時の段取り、被験者の診療費用について
■検査キットなどの資材管理
・治験に使う検査キットや資材の発注/受取/返品/在庫管理
いつまでに何がいくつ必要か逆算し、使用期限などもチェックし、必要な時に困らないよう事前に用意をします。
2. 治験実施中
■被験者のスクリーニング
治験の参加基準を満たす患者を探します。探す方法は、主に以下の3種類です。 ・ドクターからの紹介 ・病院のカルテや病院医療情報システムから探す(医療機関の許可が必要) ・広告やボランティアサイトで募る■同意説明<インフォームド・コンセント>補助
・治験参加基準を満たした患者に対して、治験の内容の説明補助
同意取得するのは医師なので、CRCはあくまで補助ですが、CRCが9割説明し、最後に少し医師が説明し同意を取得するというのが現場の流れです。何を目的とした治験なのか、来院スケジュールについて、予想される副作用など、同意説明書に記載された内容を漏れなく簡潔に説明します。内容を理解し、参加に同意した患者だけが治験に参加できます。
※CRCの説明が上手いか、下手か、わかりやすいか、わかりにくいかで同意取得率が変わります。ここがCRCの腕の見せ所です。
■患者(被験者)対応
・プロトコールのアローワンス(許容範囲)内で被験者の来院スケジュール調整
・被験者来院時は問診し、事前に治験薬の服薬状況の確認・残薬回収
・医師診察に同席し、問診でヒアリングした内容を報告、プロトコール通り対応ができているか確認
※医師診察は時間が限られているため、短い時間で漏れなく対応ができるようCRCが事前に問診し、情報を吸い上げておきます。
・来院時以外の相談窓口として電話/メール対応
・有害事象(AE)/重篤な有害事象(SAE)発生時の緊急対応
※AEは来院時の対応で問題ありませんが、SAEは知りえてから24時間以内に第一報を作成する必要がある試験が多いため、迅速な対応が求められます
■治験責任医師の書類作成補助
・被験者の検査結果の確認依頼や症例報告書の作成補助
医師の記載漏れ、誤字脱字がないかダブルチェックをします。原資料があり、CRCが転記OKなものについてはCRCが作成します。EDC(電子症例報告書)への打ち込みもCRCが行います。
■SDV(モニタリング)対応
・原資料の直接閲覧のため、CRAが訪問します。カルテ、症例報告書、治験薬管理表などを用意し、CRAがSDVできる環境を整えます。クエリがあればその都度対応し、医師の判断が必要な際はアポイントを取り付け、同席します。
3. 治験終了
■治験修了報告書の作成補助
・これまで作成した症例報告書をまとめたような書類です。
・報告するIRB(治験審査委員会)の日程が決まっていることが多いため、期日までに完成するよう作成の補助をします。
■原資料の適切な保管
・治験が終了しても原資料は破棄できません。試験によっては何年以上保管、永久保管など保管期間が決まっています。医療機関に誤って紛失/破棄されないよう保管方法を工夫します。
CRC(治験コーディネーター)一日のスケジュール
9:00~10:00 | 出勤し、メールチェックおよび本日のスケジュール確認 ※担当医療機関施設に直行することが多いです。その場合は医療機関スタッフへの挨拶も忘れずに行います。 |
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10:00~11:00 | ・来院予定の被験者のカルテチェック ・医師や医療機関スタッフへ報告および打ち合わせ ・届いている書類の確認 |
11:00~13:00 | ・被験者対応(2名) (体調変化や服用状況の確認、残薬回収、医師診察同席、服薬方法指導、次回来院スケジュール確認・調整、治験協力費支払い手続き、症例報告書作成補助、EDC入力、検体処理など) |
13:00~14:00 | ランチ |
14:00~16:00 | ・EDCのクエリ対応 ・前回SDV時のクエリ対応 ・次回来院の準備 |
16:00~18:00 | ・メール対応、業務報告 ・検体回収対応 |
18:00 | 退社 |
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